字幕監修の小窓から ~テルグ映画であんな話こんな話②『プシュパ 君臨』の “一歩も引かない”男たち
テルグ語映画の字幕監修でお馴染みの山田桂子氏による『プシュパ 君臨』のコラムお届けします。
インド映画タイムズ
2026.07.04
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日本公開からずいぶん時間が経った上、いまだ配信も円盤化もニュースがないことに一抹の不安を感じる今日この頃。もはや細部を思い出しようもない人も多いと思いますが(スミマセン)、私自身の備忘録としても記しておきたいと思います。どうぞお付き合いください。
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「こっちもあっちも俺のもの お天道様も俺のもの 坊や ここは俺のシマ」
とは、プシュパがパート1『プシュパ 覚醒』(2021、以下『覚醒』)で歌って踊った最後の曲である。そんな絶好調のプシュパには悪いが、パート2である本作(2024、以下『君臨』)の公開前、あくまで私ひとりの勝手予想では、まず冒頭でプシュパが死に、次に跡を継いだ妻シュリーヴァッリが極道の女、裏社会のドンになって大暴れする、という展開だった。もちろんそんな話になるわけはなく、『君臨』でもやはりプシュパは健在、タッゲデレ(一歩も引かない)な男であった。

©Mythri Movie Makers 2024
しかし実はほかにも大勢のタッゲデレな男たちがいて、それこそがこの映画のテーマなのかもしれないと気づいたのは、字幕監修作業がとっくに終わり劇場公開が始まってスクリーンで鑑賞した時のことである。それまで何度も聞いていたはずのセリフ、シェーカーワト警視がプシュパに裸にされた恨みを国会議員シッダッパに語る次の場面だった。