字幕監修の小窓から ~テルグ語映画であんな話こんな話①『プシュパ 覚醒』
『プシュパ 君臨』の公開がひととおり終わった。時間を逆戻りするが、このタイミングで前作『プシュパ 覚醒』(2021年)について振り返るのも悪くないだろう。というのも、この映画はインドでは超ヒット作だったにもかかわらず日本では「熱風!! 南インド映画の世界」(2023年)の特集上映にとどまり、上映期間も劇場も限られ単独のパンフレットもなく、なんだか不憫に思ったからである。ただ、そんな限定的な公開だったにもかかわらず、やはり作品の力よ。それなりに反響はあったと信じるが、しかし日程的にすぐ後ろを走って来た『サイラー ナラシムハー・レッディ 偉大なる反逆者』(2019年)がヤバかった。やはりこのクラスの大作を2本、きちんと期間を空けずに上映するのは良くないのだ。一本一本を丁寧に味わう余裕がなくなる。大作を連続で鑑賞していいのは枯れた古典だけだと思う。
私はこの映画の字幕監修をつとめた者として、2024年6月15日に茨城県のミニシアター、あまや座で上映後に解説トークを行った。今回『プシュパ 君臨』を最初に見た時の感想は、2年前の自分の解説がおおむね間違っていなかったことを確認できたということだった。もちろんまったく同じではなく、多少新しく付け加わったり修正された部分もあるが、それとて前作あっての話である。というわけで、今回は2年前のトークに多少足したり引いたりしてまとめたものを紹介したい。(なお、以下はあくまでも一個人の感想です。字幕監修者とはいえ中身は凡庸な感性しかありませんので、どうか話半分で読み流していただけると幸いです。)